statement
私たちは他者と関係するとき、分かり合いたいけれど分かり合えない、どうしようもないような複雑な気持ちになることがある。そのもどかしさは、久しぶりに会う親しい友人との会話の場面や、家族との何気ないコミュニケーションの時間でさえ現れる。その時私たちは、ちぐはぐで噛み合わなくなって、どこか居心地の悪さを感じてしまう。私とあなたは、これから先何年も何十年も、そんな複雑さの中を共に生きなければならない。その一方で人と人は、そのようなもどかしさを抱えたそのままの状態で、どこまでも遠くにいくことができるものなのだろう。
私は、一般に言われるつながりや絆などの言葉の奥にある、つなぎ目について探りたい。ボタンひとつでつながりあう現代の中で、いかにして他者を想像することができるだろうか。コミュニケーションのあり方が変化し、はたして私たちは他者に何を求め、そして求められているのだろうか。人は、だれかとの関わり合いを避けようとするときもあれば、逆に自ら積極的につながりを求めようともする。私達は常に変化の渦中にあり、同じようにその関係性もまた変わり続けるものなのだろう。そうして生まれる「もどかしさ」は、私とあなたの関係をいかなるものにしているのだろうか。
日常生活において、他者及び自分自身に対して向けてきた態度(または向けてしまった、あるいは向けてこなかったものも含めて)。私は、そうしたものの断片の中から「つなぎ目」を見たいと考えている。
2019,6
JavaScript is turned off.
Please enable JavaScript to view this site properly.